よかったこと失敗したこと
ICLのその後の一例
6年前にICL(眼内コンタクトレンズ)という視力を上げる手術を受けました。割合レーシックと比べるとやっている人が少ない形式で医学よりの情報を発信するのは慎重になった方がいいので今まで書いていなかったんですが、5年以上経ったので一つの経過観察として書いてみます。
なお自分は医者ではないのでこれは個人用のメモです。
ICL(眼内コンタクトレンズ)とは
一般に伸びた眼軸を目の体操などで元に戻すことはできず、近眼の状態を視力1.0などにするためにはなんらかの処置が必要です。
- メガネをかける
- コンタクトレンズをつける
- ハードレンズ
- ソフトレンズ
あたりが初期投資の少ない方法なわけですが、それぞれ見た目のいけてる度が下がる(と言われることが多い)、長時間使用で目の病気にかかるリスクが上がるなどのデメリットがあります。
上記以外の方法としては
- オルソケラトロジー(就寝中に装用パターン)
- レーシック
- ICL
などがあります。
オルソケラトロジーはコンタクトレンズと同様にオペレーションが発生するのがめんどくさいポイントですね。レーシックは不可逆な手術なのでハローグレアが生じやすかったり10年くらい経つと視力が落ちた事例はあります。
ICLは眼内コンタクトレンズと呼ばれるレンズを入れる方式で日々のメンテは不要でダメなら外せる(後述: 信じすぎない方がいい)可逆性の高い方式とされます。
ネックは値段がまだ高い部分ですね。自分が受けた当時は75万円だったと思います。ほとんどがレンズ代。
人間は老いると白内障になるわけですが、水晶体除去し眼内レンズを挿入するのが白内障の手術で水晶体はキープで眼内レンズを挿入するのがICLの手術ですかね。一応20年以上の手術実績があり白内障とやることが似ているのでオペレーションに慣れているというのが推進派の主張です。
一方でボクシングなど格闘技をやる方は殴られた時にレンズがずれるリスクがあるそうです。そういう意味でスポーツをやっている方は内容によっては注意が必要ですね。
ハロー・グレアの出るリスクについて
ここまでいいことだけ書きましたがイマイチだったポイントも結構あります。
感染症予防の観点から術後しばらくは点眼が必要になります。その点は仕方がない部分ですかね。
ICLでもハロー・グレアが出ることがあります。
ICLのレンズは特徴的な形をしていて、眼の中にレンズを入れる関係上、太陽ギラギラの場所で明るい方向を見ると枠が見えるというかカメラのレンズが視界に入るような状態になります(個人差あり)。
自分も当初は局所的にかなり明るい場所に行くとこの枠が気になっていたのですが、脳が慣れたのか今は全く気にならないですね。
明るい場所というより夜中の街灯だったり暗いオシャレなレストランの中での灯りみたいな暗い場所だけど明るいみたいな方が光が広がって眩しく見えて、個人的にはこっちの方が問題でした。
一般に言われているより数ヶ月では全然慣れなくて2, 3年経っても眩しく感じたのを覚えています。最近はあまり感じた記憶がないので当初と比べるとかなり軽減されていますが、0.1以下=>2.0の大幅の補正はハローグレアのリスクも高めるのかなと(不明)。
PC作業がメインだと2.0はいらなかった
ターゲット視力をどこにするのは悩みポイントだと思います。自分から言えることはPC作業がメインだと2.0はいらないですかね。
レーシックの視力が術後下がるイメージがあったのと、値段が当時の自分にとっては高かった点、可逆的な手術と説明を受けた点から、悩んで病院の方と相談した結果2.0にしたのですがこれは失敗でした。度の強すぎるメガネをかけている感じというか気持ち悪くなっちゃったんですよね。
やばい気持ち悪いのでメガネ外そうと思ったらメガネがない(泣)。
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術受けましたレポ漫画(1/2) pic.twitter.com/yP005NLi9l
— ちん@(二日目)東5ヒ15a (@sdannum) June 1, 2022
他の方のレポでもあるのでよくあるトラブルなのでしょう。
きゃりーぱみゅぱみゅもICLを受けたようで満足そうに見えるので仕事でよく遠くを見る人には2.0でもいいのかもしれません。プログラマーかつ術後に起きたコロナの結果完全リモートワークだと1日の眼の焦点がほぼ室内で完全に過矯正でした。
欲をかいて今の補正視力より上げると期待値とのズレが大きいのでICLをやる前にターゲットの視力で本当に問題ないか試した方がいいですね。
元々縁のない紐で支えているメガネを常用していてコンタクトレンズも使用してなかったんですが、縁のないメガネだと使えるレンズの厚さに制限があってターゲット視力を試せていなかったんですよね。牛乳瓶みたいなメガネかコンタクトレンズでもいいのでターゲット視力を試した方がよかったです。
過矯正の応急処置は遠視用メガネ
ここで過矯正だったのでレンズの入れ替えをできないか病院で相談すると結構抵抗されます。術前の説明やホリエモンチャンネルでの説明なんかを事前に見ていたんですが、思ったより可逆的でないというか眼の手術なのでリスクは当然あるのでしょう。
ここは術前の態度と術後の態度に温度差を感じたものの、術後すぐは安定していないだけかもしれないので様子を見ることにしました。(ただ仕事が忙しく惰性的に6年様子を見続けても過矯正感は感じるのでダメですね。。)
困ったなと思った時に出会ったのが遠視用(老眼用?)メガネです。視力が高くなり過ぎたので視力を下げるメガネを作ろう。
視力を上げにいって視力をさげにいっているのでもはや何をやっているのかわからない人ですが、常にほんのちょっと気持ち悪い状態を脱するためにはかなり有効でした。
今は部屋だとメガネで外出る時だけ外すスタイルですね。リモートワークでほぼ在宅なのでメガネをかけている時間の方が長いですが、風呂場や運動するときにメガネをつけなくてよくなったのは一応プラスですかね。
一点注意があるとすれば近視用のメガネは凹レンズなんですが遠視用のメガネは凸レンズです。縁のない紐で支えるタイプのメガネは凹レンズだから成立していたところがあり、選択肢がなく上下紐=>下だけ紐に降格しました。縁ない方が好きなんですけどね。
ICLの病院がつぶれた
他にもトラブルは続きます。
ホリエモンチャンネルでも紹介されていて当時はおそらくICLをやっている病院の中では一番の知名度だった神戸神奈川アイクリニックが倒産します。
年に一回検診に行っていたのですが途中で引越しして病院側のDBの情報を更新していなかった結果、検診に行こうとしたら潰れていました。新しい治療法は治療法自体の他に病院の継続性についても考慮する必要があるというのが学びです。一応一番有名なところを選んだつもりなんですけどね。。。
先進会眼科という別の眼科が救済の引き継ぎをやっていただいた関係で有志の方の情報と合わせてカルテの情報のコピーは入手できました。ただ当然ではあるんですが先進会眼科に検診に行っても旧神戸神奈川アイクリニックの患者は他の病院でICLを受けた人の検診をしている状態で、定期的に行ってもサポートの熱量は低いですかね。
5年経っても視力は変わらない
よかったこともあります。
ちょっと今年は行けていないのですが毎年検査に行くと視力は1.5~2.0のレンジにおさまっています。その日のコンディションのブレを除けばICL後の視力は5年経っても下がらなかったとは言えそうです。
大人なのもあるんですが割合常時視力が下がるメガネをかけているのであんまり参考にならないかもしれないです。
その他
その他の情報です。
- レンズを作っているSTAAR SurgicalはNasdaq上場企業で決算が見れます。
- スター・ジャパンは2023年に贈収賄容疑で社長が書類送検されています。
- レッドライト治療が子供の近視の進行を抑制するという報告あり
- マイオピン: 近視の進行を抑制する点眼薬
所感
ここ数年でひげ脱毛や歯のセレックによるセラミック化&ホワイトニングなんかもやっているのでどこかでまとめたいですね。