algonote

There's More Than One Way To Do It

うちの師匠はしっぽがないで学ぶ上方落語

かわいい絵柄で上方落語を学ぶ

しっぽなとは

「うちの師匠はしっぽがない」通称しっぽなは上方落語を題材にした漫画です。2022年にアニメ化されました。

東京で落語といえば江戸落語ですが、大阪・京都を中心に関西での落語が上方落語です。いくつか形式、道具などに違いがあります。

妖狐の文狐(ぶんこ)師匠が人間に変化して落語家をしていて、狸のまめだが同じく人間に化けて弟子入りするのが基本プロットです。落語を通じて狸や狐が人間を化かす(笑かす)のがおもしろポイントですね。江戸落語ですが、蝶花楼桃花氏の見た目は割合文狐師匠に似ている気がします。

各話、テーマの落語の噺にからめたストーリーになっています。

江戸落語と上方落語の違い

江戸落語と上方落語の違いはいくつかあります。

  • 上方落語は大阪弁などの上方言葉を使う

しっぽなでも市場で流暢な大阪弁を真似るシーンがありましたね。

  • 上方落語は見台、膝隠し、小拍子を使用する

江戸落語だと小道具は扇子や手ぬぐいくらいですが、上方落語は台をかんなくらいの木でたたき音を鳴らします。ルーツを辿ると江戸落語はお座敷芸で上方落語は大道芸なのが由来みたいですね。音で注目を集めないと芸を見てもらいにくかったのかと。

  • 上方落語の方がBGM(三味線、鳴り物)がある

落語を話している間、江戸落語だとノーBGMですが、上方落語だと音楽が鳴り、演目によっては息をあわせるような三味線とのコラボレーションがあります。江戸落語でもでばやし(入場曲)がありますが、それも歴史的には途中からの導入で元は上方落語の手法だったようです。

  • 上方落語では舞台転換はお茶子さん(女性)が行う

笑点の山田さんではないですが、江戸落語だと舞台を整えるのは 前座がやるので主に男性。上方落語だとお茶子さん(女性)が行う。

上方落語を実際に観に行った

関西だと何度かやられていたようですが、作者主催の公演が東京でもあったので先日行ってきました。

東京でも上方落語で活躍されている方もいるのですが、しっぽなで登場した演目だと入りもいいかなと。

t.livepocket.jp

観た感想、思ったより数回に一回台を何度もバンバン叩くというより三味線とのコラボレーションの方が醍醐味に感じました。コテコテの演目を選んだそうなのでそのせいかもしれないですが。女道楽という三味線の演芸もありよかったです。

所感

しっぽなは雑誌では完結しており、最終巻が2024年2月7日に発売予定です。みんな買いましょう。

上方落語に限らないのですが、浅草に落語を聞きに行ったらお笑いと間違えていないですか?と聞かれる程度には若者離れはあるかもしれないですね。能は難解で、歌舞伎もアニメ歌舞伎以外はそれなりにイヤホンガイドなしでは理解が難しく、割合口語で現代よりの落語はその中ではやさしい部類だとは思うんですけどね。

文楽はまだ観たことないので次はそれかなというところ。