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マイナンバーカードは配れば使われるのか

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前回、前々回の続き。

マイナンバーカードは配れば使われるのか検討してみます。

前提

現状のマイナンバーカードは

  • ICカード+パスワード認証
  • ID+パスワード認証

の2つがあります。

現状前者が推奨で後者が廃止予定とされています。

ICカード認証は電子証明書を使うのでよりセキュアですが、別途ICカードリーダーやNFC対応のスマホを購入する必要があります。

民間サービスと比べてみる

日本国という民間の会社のマイナンバー照会というウェブサービスがあったとして、その利用回数は年に数回いけばいい方であり、そこの利用情報から個人の嗜好などを抜き取る事はできない。

LINEなどは一般普及率99%以上だが、その情報が仮に漏れてしまうと個人の趣味嗜好などが露出してしまう。

所得税の年間総額を人口で割ると50万円程度だが、これは東証の単元株以下であり、日々ネット証券で取引される株やビットコインなどの方が誤っていた場合に被害が大きい。

行政で提供されるサービスは情報流出時に得られる情報量ではLINEより、経済的被害のリスクではネット証券より低いにもかかわらずICカード認証という追加の認証を求められている。

全ての人のスマホにNFCが付くのか

現状のスマホ市場はiOSとAndroidの2OSが寡占しており、iPhoneはNFCに積極的でAndroidの方がネック。

Androidの国内シェアは57%

Googleがとある時点のAndroidバージョンからハードウェア要件として必ずNFC Readerを入れることを要件に入れることが決まっているならいいが、インドなど発展途上国も普及のターゲットにいるので厳しい。

病院に行く人の中央値年齢が40でなくお年寄りであるように行政のサービスの利用者は生活給付金や補助金の申請に使う人がいるため世の中の平均よりは低くなる。

一般にAndroidのスマホの方が安く、結果としてNFC対応していない確率は上がる。

役所の待ち時間

大垣市の統計がWebに落ちていたのでデータをみてみる。

役所での待ち時間は課税課窓口なら5分程度、証明書交付窓口で6分、 住民登録・戸籍・年金・国保・医療窓口で30-50分あたりが平均。中央値30分あたりか。

役所へ行く頻度も試算すると

課税課窓口148 + 証明書交付窓口208 + 住民登録・戸籍・年金・国保・医療窓口 267 = 623人/日

大垣市人口158,493人

土日祝日120日として役所の空いている日が245日 https://jpnculture.net/nenkankyuujitu3/

245*623/158493=0.96回/年/人

年に1回行くかどうか

日本人の時給

事務職の平均時給は1300円程度。高齢者の就職は一般に厳しく最低時給なら900円程度。実際は高齢なので雇われないという場合もあるのでもっと低い。

https://求人ボックス.com/一般事務の年収・時給

マイナンバーカードは成人なら10年持つので償却してもいいが、民間のサービスでフリーミアムがよく使われるように初期コストだけが人間の判断要因だとざっくり仮定。

デジタル格差が広がらないように全ての人につながる権利を保障するなら450円以内で買えるICカードリーダーが登場しないと金額だけで言えば見合っていない。使い方を覚えるのに1-2hかかるならただでも高い。

現状のUSB接続のカードリーダーは1500円-4000円程度。スマホの乗り換えならもっと高い。

ICカードリーダーの価格は下がるのか

一般に大量生産することで価格は下がる。例えば中国の生産によってコロナかのマスクの市場価格は下がった 。中国の身分証と同じNFCの形式にするのは一つの方向性だが、そうなってないようで、 現状すでにカードリーダーを購入した人の気持ちを考えれば変えられない。

ICカード強制は正義か

少しでも失敗すると世間のバッシングが来るのでどうしても国のサービスはセキュリティーに最高のものでしか受け入れられなくなりがち。

銀行というのは硬めのビジネスで公的なサービスに近い。現状非推奨になりつつあるがログインに使うID+パスワードと別に乱数表を使っている銀行はまだある。

例えばの提案

トランプ大統領的思想に近いが世界は富裕層と貧民層に2分されていると仮定して、弱者につながる権利を保障するのもありではないか。

defaultはICカード+passwordで希望者はID+password+乱数表。ID+password+ スマホのAuthenticaterアプリでの二段階認証でもよい