医療用プログラムの法律まとめ
前口上
新型コロナウイルス拡大に伴い、院内感染を防止するためにオンライン診療の要件が緩和された。感染が収束するまでの時限付きだが、今まで認められていなかった初診についても法的には可能になった。
- 初診では薬の処方日数は7日まで
- 麻薬や向精神薬は処方できない
などの制限があるが、 事前に届出をしている病院なら自費診療も可能。
一方で診療点数は対面と比べると6割程度と低い。厚生労働省の医療費を下げたいという思惑もあるようだが、CTやMRIなど医療機器を使えない状況では診断根拠となる情報を得られないのも事実。
でも思うんです。仮にビデオ通話しているそのスマホで簡易的に指標を読み取れれば診断精度があるのでは
スマホで計測できる可能性のある指標
- 聴診器: スマホを胸にあて、音を拡張するなど
- 心拍数、酸素飽和度、灌流指標: Appleが特許取っていますね。カメラとライトを使うと指の中の血流を捉えることができるようです。心拍数は顔画像から推定する方法もある模様。
法規要件
旧薬事法は2014年に改正され医薬品医療機器等法になっています。従来ハードウェアがメインフォーカスでしたがソフトウェア単体でも規制の対象になったというのがポイント。プログラムが医療機器として認定されるとめでたく各種許可や届けが必要になり、営業管理者も設置する必要があります。
「プログラムの医療機器への該当性に関する基本的な考え方について」という通知が厚生労働省より出ており、
- プログラム医療機器により得られた結果の重要性に鑑みて疾病の治療、診断等にどの程度寄与するのか。
- プログラム医療機器の機能の障害等が生じた場合において人の生命及び健 康に影響を与えるおそれ(不具合があった場合のリスク)を含めた総合的なリスクの蓋然性がどの程度あるか。
が医療機器に該当するのかどうかの判断根拠となっています。
通知には一覧も例示してあるのでいくつか見てみましょう。
医療機器に該当するもの
医療機器で得られたデータ(画像を含む)を加工・処理し、診断又は治療に用いるため の指標、画像、グラフ等を作成するプログラム
- 医療機器で撮影した画像をコンピュータに表示
- 病変の良悪性判定の候補表示をして診断支援
治療計画・方法の決定を支援するためのプログラム(シミュレーションを含む)
- 歯のインプラントのシミュレーション
- 外科手術のナビゲーション
医療機器に該当しないもの
医療機器で取得したデータを、診療記録として用いるために転送、保管、表示を行うプ ログラム
- 転送、フォーマット変換
- 検査項目の保管、管理
データ(画像は除く)を加工・処理するためのプログラム(診断に用いるものを除く)
- 検査データの統計処理
院内業務支援プログラム * 診療予約 * 販売管理
健康管理用プログラム
- 個人の計測値を保存
- スマホのセンサを利用して生活改善
- 健康診断結果保管
一般医療機器(機能の障害等が生じた場合でも人の生命及び健康に影響を与えるおそれ がほとんどないもの)に相当するプログラム(新施行令により、医療機器の範囲から除 外されるもの) * 視力検査 * 薬剤の投与量を提示
その他
- 教育用プログラム
- 患者説明用プログラム
- メンテナンス用プログラム
解釈が難しい部分もありますが、一般的な指標については診察に使うなら医療機器で自身の体調管理目的ならそうではないといったところでしょうか。
海外動向
米国FDAにおいてはモバイルアプリを
- 医療機器に該当しない
- 医療機器の定義に該当するかもしれないが、人に対するリスクが低いため、 規制するかFDAの裁量で判断する
- 医療機器に該当し、規制の対象
の3区分に分類しており、
- モバイルプラットフォームに接続したセンサーを使用し、心臓の電気信号を測定、表示する。
- モバイルプラットフォーム内のスピーカーを使用し、音声レベルを制御した信号により、聴覚の診 断、耳の障害の診断を助ける(聴力計)
は3の医療機器に該当。
欧州においてもモバイルデバイスそのものが医療機器として機能するものは医療機器として規制の対象。
日本はアメリカやヨーロッパと比べると規制が少しだけ緩め。
所感
オンライン診療に使うためには医療機器としての届出が必要でそれなりに大変そう