長寿企業を作りたい
帝国データバンク史料館に行ってみた
上場企業のトップランキングが昔は30年程度で入れ替わったそうなのですが、最近だと入れ替わりが10年になったと聞きます。
いい企業に入って終身雇用のつもりでいても、会社自体が傾いて人生プランが崩れてしまうこともあるわけです。
どんな企業がトップにいつづけられるのか知りたい! 帝国データバンク史料館で情報部創設60年企画 倒産60年史がやっていたので行ってみたメモです。
帝国データバンク史料館は東京支社のビルにある
一般的な美術館、博物館だとある程度公的なものですが、帝国データバンク史料館は一企業である帝国データバンクによって運営されています。 東京支社のビルの一つの階が史料館。事前予約制で火曜日~金曜日のみ営業。時間帯も
- 10:00~12:00
- 13:00~15:00
- 15:00~17:00
の日中の時間帯なので平日勤務だと行く難易度は少しありますね。
例えば上野の国立科学博物館だと半分が常設展で半分が企画展だったりしますが、帝国データバンク史料館は全体が1フロアでテーマ展示が1スペースなので比較的小規模な運営。
帝国データバンクは信用調査会社
帝国データバンク史料館の常設展部分は社愛溢れる社史と共に信用調査、興信所という業態がどういう歩みをしてきたかが書かれています。帝国データバンクの前身も帝国興信社。
興信所の歴史を見ると割合現在のWeb系のIT業界に近い部分はありますね。大手2強体制は規制が緩かったため新規参入が相次ぎ早くも崩壊。悪徳業者が出てきて規制ののち業界再編。
起業しやすい領域として今のIT系が当時の興信所に近かったのかもしれない。
1924年当時の社内規定のコーナーがあるのですが、
- 酒癖の悪い者は解雇
- 内職は厳禁
- 休暇は皆勤者にのみ付与
と当時の会社がどんな感じで運営されていたかが伝わってきます。
テーマ展示: 倒産60年史
テーマ展示の部分は年表と共に倒産の要因が書かれています。
公害倒産、バブル崩壊、ゼロゼロ融資倒産、etc、やはりマクロ的な変化があった時にどっと倒産していますね。
2024年現在、小林製薬の紅麹のサプリが社会問題化していますが、1969年にも人工甘味料チクロの発がん性が問題となり食品業界で倒産が起こったようです。
記者の印象に残った倒産のコーナーがあるのですが、税務状況が悪い状況から経営を引き継いで10年以上少しずつ改善してきてあとちょっとというところで不渡を出してしまった話もあって、ああ人生といった感じでした。
所感
「企業はなぜ倒産するのか」についてわかったかで言うとマクロ要因が多くて回避策がよくわからなかったというのが正直なところです。
任意の事象においてうまくいく理由を人を求めてしまいますが、うまくいかない理由は多種多様だと個人的に思っています。上手くいっているサービスは裏側の仕組みのほうがすごいことが多いとも聞きますね。
帝国データバンクは何冊か本も出版しているので読んでみようかな。