試験で測れる部分から一歩先に進むには
語学は暗記ゲー
語学を上達するためにはボキャブラリーを増やすことが大切です。このことには語彙の神話という本にも書かれており伝統的な教育では文法を重視し過ぎており、もっと語彙を増やすことに注力した方が上達が速いそうです。
有名なポリグロット(多言語話者)のSteve Kaufmanも似たようなことを述べておりスピーキング中心よりも読解力中心に伸ばすことの重要性を説いています。いわく自分の言いたいことを言葉だけで伝えきれなくても身振り手振りで補強することはできるが、言っていることが理解できないと何もできないと。
語学はボキャブラリーを増やす暗記ゲーと言えるということです。
検定で測れる能力のキャップははやい
一般にネイティブスピーカーの語彙数は2万から3万語と言われています。語彙数を測れるサイトで簡易計測したところ自分の日本語の語彙数は2万5000語でした。
一方で英検1級やTOEIC900点以上は一万語程度あれば合格できます。英検1級の単語帳みたいなものを暗記しきってもネイティブとは倍以上乖離があるわけです。
一定のレベルに達するとその後のレベルを上げ方がわからない。どの分野でも言えることですが、最近再び英語を勉強するモチベが上がってきたので少し調べてみました。
一万語にプラスアルファするなら英語圏の大学/大学院受験の参考書がいいかも
自分の英語のボキャブラリーは一万語程度ですが、それに積みます方法をいくつか調べました。
- Distinction
英語ユーチューバーのATSUさんが開発した単語帳です。本とアプリがあります。Distinction 2000というDuo 3.0に近いバージョンもあるのですがI、IIとナンバリングされている方が今回の話の対象です。
ナンバリングされている方のDistinctionは受験英語ではあまり出てこない口語特化のイディオム集と言った感じで外資系に勤務している人には実用性の面で支持されているようです。自分はゴールドマンサックス勤務の方が勧めているのを見て知りました。
コーパスなどで単語をカウントすれば頻度上位の単語が抽出できるわけですがイディオム、熟語となるとそうはいきません。そういうまだ技術が追いついていない部分を人力でやったから売れたのかなと。
- mikanのGRE英単語1500
mikanはTinderライクUIで単語を覚えられるアプリです。市販の参考書などもあるのですが、オリジナルの単語帳があり無料で使えます。
GREはGraduate Record Examinationでアメリカやカナダで大学院に進むために必要な試験です。GRE英単語1500はその勉強用の単語帳で自分にはレベル感がちょうどよくボキャブラリーを増やせました。
有料ですがGMAT(Graduate Management Admission Test)、同じくMBA用の試験の単語帳もあります。
中学高校レベルの単語を覚えたらネイティブと同じパスを辿って大学、大学院の勉強を英語でしてみるというのはいい方法かもしれないですね。
- SVL12000
ALCが作った上位12000語の単語帳です。メール登録すると個人は無料で入手できます。
https://book.alc.co.jp/news/n105004.html
12000語なので10000語に追加で2000語積みますにはよいです。Ankiなどの単語帳アプリに登録して覚えている人が多いようです。
ALCはSVL12000とは別にイディオムに特化したSIL6000というのも作っていたのですが更新を止めてしまったようです。学辞郎などの絶版本を買うと一応まだリストは入手はできるとか。
本気で20000語以上を目指すならコーパス
20000語以上覚える方法についても考えてみます。
- コーパス丸ごと覚える
一般的な英単語帳はCOCA(Corpus of Contemporary American English)などのコーパスをベースに上位を抜き出して作られています。部分集合が終わったら全体に行くしかないわけで、効率重視ならコーパスの高頻度語を上から覚える必要があります。極限の英単語などの単語帳はそういうアプローチで作られているようですね。
小説などを読んで自然に単語を覚えるは理想論ではあるのですが一万語覚えた後に覚える単語はそれなりに低頻度語なので偶然任せだとそれほど多くの単語に出会えるわけではないように感じます。
- 辞書を丸ごと覚える
力技その2です。Reijiroの作者は英辞郎のデータをベースに語彙を増やしていったようです。
所感
学生時代はむしろ数学の方が得意で進学校で学年上位くらいには数学得意だったんですが、大学くらいからそれまでそこまで得意でなかった英語力が追い越してしまった感じはあります。
日本から出ずに英語力は上がったのだから中国語もいけるだろうと勉強していますがHSK5級を受かっても中国語のボキャブラリーは2500語程度。以前英語とはレベル差があります。思ったより異世界転生で強くてニューゲームが効かない。。。
この差分はどこに由来するだろうと思返すと学生時代、ひたすらDuoを覚えて語彙を増やせた記憶があります。一方で中国語版や一万語超えてからのDuo相当は世に存在しないようで、ChatGPTに投げて自分で作ってしまおうかと最近思ったりしています。
















