AI開発を円滑に進めるための契約・法務・知財に参加しました。
Overview
AI・データの利用に関する契約ガイドライン策定の中で得られた知見の共有。
生成に関する法律
権利については法的規制と契約上の規制をわけて考える必要があり、例えばKindleの本からデータを取得する場合には仮に著作権(法的規制)をパスしても契約上利用できない。
一旦取得した情報を第三者に提供する場合には原則として本人の同意が必要。法律上委託の場合には第三者にならないが、データの提供を受けたAIベンダがモデルを生成し、自らビジネスを行う場合はアウト。
医療の例でいうと院内掲示だけでは原則要件を満たせないが、匿名加工情報化(非識別化)できれば満たすことができる。医療においては認定匿名加工医療情報作成事業者について規定した医療ビッグデータ法がある。
make.girls.moe を用いた事例解説
複製や翻案は原則として著作権者の承諾なく行うことはできないが、権利制限規定を満たせば承諾不要。有名なものは私的複製、引用。
2019/1/1に施工された30条の4ではこれに情報解析が加わった。AIモデルの生成は情報解析にあたる。欧州・イギリスでは似たようなものは非営利のみの規定。
権利者がどこにいるかでなく作業をどこでやるのかが重要。
データ利用に関するガイドライン
AI開発では進めてみないとわからない場合が多く、契約は請負よりも準委任型のほうが親和的。準委任でも一定のマイルストーンベースの成果完成型だとユーザーのリスクが低い。
ベンダー側でいうと横展開防止のためにPoCの成果物はレポートのみ、ソースコードは渡さないようにすることが大事。学習済みモデルは定義があいまいなのでにぎっておく必要がある。
所感
データの提供は委託の場合には第三者にならないなどの知見を得られた。
スタートアップがC向けでAIメインのサービスを提供している場合は少ないと感じる。PFNやABEJAのようなB向けビジネスが伸びる一因には法律上の制限もあるように思いました。