分業で組織のパフォーマンスを最大化する
他社のチーム構成をまとめたい
営業ができて技術もわかりコミュ力高く事業、プロダクト開発も推進してくれるスーパーマンで全て構成された組織があれば市場変化へ耐性も強いです。一方でそういう人は組織に属するメリットが薄くフリーランスなど別の業態での方が活躍できる可能性もあります。
会社という業態は言ってしまえば分業によってスーパーマンでない人、凡人の組み合わせで収益を上げる仕組みの側面もあって、投資家目線で言うと例えば法的参入障壁のライセンスを持っている企業が採用容易性の高い人材を採用してしまえば収益が100倍になるビジネスの方が投資対象になりやすい可能性があります。
IT企業においてインターネット上には各社のチーム構成の資料がちらほら上がっていることがあり、参考までにまとめておきます。
食べログ(2021)
https://qiita.com/tkyowa/items/c0eab592d5bc356eefd6
モバイルアプリの開発でチーム内にウェブとアプリのエンジニアを含む構成。
- PM
- EM
- 企画 x 1
- デザイン x 1
- ウェブ開発 x 3
- アプリ開発 x 2
くらいが標準的な構成か。
freee(2021)
- PM
- UXD
- Eng x 4
あたり。
カンム(2022)
https://tech.kanmu.co.jp/entry/2022/03/02/105111
モバイルアプリの開発でチーム内にBizサイドも入っているパターン。
- バックエンド/インフラ x 4
- モバイル x 1.5
- データサイエンティスト x 2
- デザイナー x 2.5
- マーケター x 3
- PM x 1
- 何でもやる人 x 1
メルカリ(~2022)
https://engineering.mercari.com/blog/entry/20220120-2fd1a3e4ba/
メルカリのみ遷移が書かれているので複数書いています。初期ほどPOとPMが分業しているパターン。
ローンチ期
- PO
- PM
- Backend
- iOS
- Android
- Frontend
グロース期
- PJO
- PM
- Backend
- iOS
- Android
- Frontend
PMM/EM体制期
iOS、Andoirdと技術軸ごとにチームとは別にレポートラインを持ちEMがいる。
- PMM
- PM
- iOS
- Android
- Frontend
- Backend
Campシステム期
各チームがローンチ期に近いミニスタートアップに近い構成。デザイナーが共有ぎみか。
Team 1
- PM
- EM
- iOS x2
- Android x 2
Team 2
- PM
- EM
- iOS x2
- Android x 2
Camp共有
- PM Head
- Eng. Head
- Designer
- QA
SODA(2023)
割合マネジメント特化のEM組織を別に組成するパターン(に見える)
プロダクト開発
- Web x 5
- Flutter x 2
- Design x 1
- PdM x 1
エンジニアリングマネジメント
- EM x 3
Voicy(2023)
各チームのばらつきが大きく型が定まっていない。 マネジメントだけのEMの兼業が多いパターン。
Mission
- (EM x 1)
- iOS
- Android
- BE
- UX/UI
- PM
App Enabling
- iOS x 3
- Android x 3
Backend Enabling
- SRE
- BE x 5
Timee(2023)
チーム内にPOとは別にスクラムマスターがいる構成。
- PO x 1
- SM
- Backend x 2
- Android x 1~2
- iOS x 2
- (Analyst x 1)
- Designer
その他
- スタディサプリのSREは11人に1人(2021)
- LINEのML組織構成(2022)
- SmartHRのPM割合は(Biz含め)12.6人に1人(2023)
- エヌビディアCEOは直属の部下が50人いる(2023)
- データチームのサイズ
所感
個人的にはスケールする上でPMの組織化は必須で、マネジメントだけするEMの組織化はAssessOpsの観点から微妙だと思っています。
全体的にプロダクトオーナーとプロダクトマネージャーが分かれていたり、プロダクトマネージャー(PdM)とプロジェクトマネージャー(スクラムマスター)を別に置いている組織が多いですね。
例えば日本のSIerで多重下請け構造が問題とされることがあります。同一労働同一賃金の流れの中でグループ内企業で安い子会社から派遣みたいな業態は法律上の制限が増えた部分もあるのですが、意外と下請けのレイヤー通りに階層があることは稀で色んな所属の人がいる現場、正社員率が100%でない場合も経験上多いです。
自分は専任のスクラムマスターは業態によっては不要という立場ですが、解雇規制の強さから一部開発をアウトソースしていたり、所属バラバラの混成チームが多い日本の現場の場合、プロジェクト管理のコストが高く、結果としてPdMとテックリードの二元論だけだと間のボールになりやすいのかもしれないですね。