足なんて飾り?
前口上
マンガを書く上でイラストのうまさはもちろん重要なファクターですが、ストーリーや見せ方も重要な要素です。
ストーリーは小説などと共通の部分もありますが、見せ方はマンガ独特の部分も多く、1ページを何コマに分割にするか、どういったアングルから何を映すかを考えなければいけません。いわゆるコマ割りの部分ですね。
イラストを描く上で全身を書くというのは骨の折れる作業なのでできるだけサボりたいです。人の印象は顔が9割などといいますが、VTuberのサムネイルも基本はバストアップがほとんどです。足なんて描きたくない。
マンガの1話を作るのにどこまでサボれるものでしょうか。
データセット
人気のマンガを題材に統計をとってみます。 手元にあったONE PIECEとかぐや様は告らせたいを使って人物のうつし方を計測してみます。
- ONE PIECE 901話
海上での逃亡シーン。戦闘がメインではない。
- かぐや様は告らせたい 21話
相合い傘の話。
数え方
1ページの中のコマのうち、人物がうつっているものだけカウントします。 一つのコマに複数人いても代表的な人にフォーカスして集計しています。 クラスは以下
- face: 顔アップ
- kataue 肩から上
- upper ベルト上
- hizaue 膝から上
- all 全身
- lower ベルト下
- foot 足先だけ
結果: カウント
以下結果です。
顔アップが一番多いですね。
ONE PIECEとかぐや様を比べるとかぐや様の方が上半身比率が高いように見えます。 恋愛ものだと顔が大事なのと、ONE PIECEの方が登場人物数が多いので、全員をフレームにおさめるために引きになっているとかでしょうか。
結果:遷移
おまけで人物がうつっているコマ数の遷移も見てみました。人気の漫画のコマ割りがデータとして出せたら面白いなと。
1ページ目は表紙なので無視するとしても、最初と最後はより大きな構造物メインで人物は少なめですね。 最初のページは状況説明用に引きが必要なのと、最後は落ちた感のためでしょうか。
若干真ん中あたりだと谷があるようなないような。 90分のハリウッド映画の脚本は開始60分あたりで場面転換する傾向があったりしますが、面白いマンガも真ん中あたりで何か転換点があるなら面白いですね。
所感 & Future Work
カスタムデータ手打ちだとデータ量限界がありますね。より大きなデータで試してみたい。
マンガ用データセットとしてはMANGA 109も使えそう。