オクショウ理論の検証
前口上
最近は漫画家でYouTuberをしている人もいてリアルアカウントの原作者のオクショウ先生がマンガの描き方講座をあげています。
小説家が漫画原作をする場合、プロットのみで終わる場合もありますが、オクショウ先生はネームまでやっているようです。
その動画の中で(どの動画か見失った)、コマ割りの法則を言っていて
- 見開き単位で右ページが粗、左ページが密
- 一話単位で見た時、始まりと終わりが粗、真ん中が密
という一つの手法が上がっていました。
人の数ほどやり方はありそうですが、一つの理論として的を得ているように感じたので検証してみます。
データ
紙の漫画も手元にはあるのですが、紙から電子への移行が世の中のトレンドとしてあります。
見開きページが減っていてアプリでページ単位で閲覧していても整合性が合うようにしていたり、スマホで見てもみやすいように細かいコマ分割はどちらかというと避けられるようです。
アプリによっては見開きで見れないものもあったので、対応していた少年ジャンプ+の人気作で見ていきます。対象作品は以下です。
- SPYxFAMILY 54話
- 怪獣8号 48話
- 推しの子 60話
コマ数の遷移
以下結果です。コマ数の推移で見るとこんな感じ。
以前、人物にフォーカスしてコマ割りを見ましたが、そこでもページ単位ではキレイな結果は取れなかったんですよね。はじめや終わりが疎と言えばそうなようなそうでないような。
移動平均というか見開き単位で見た方がノイズが減るので以下がそうです
粗密粗というよりは気持ちなだらかに密=>粗ですかね。
奇数/偶数ページでのコマ数
奇数/偶数ページでも集計してみました。
怪獣8号は有意差ないですね。アプリ読み前提であまり気にしていないのか。
SPYxFAMILYと推しの子は相反しているので右ページが粗、左ページが密というよりは人によって得意なコマ割りが左右どちらかに寄っているということなのかもしれないですね。
風船数の推移
ページというスペースがある以上、ある程度コマは必ず埋まるんですよね。オクショウチャンネルで言っていることは外していない気がして、緩急をコマ割りであらわすとよく捉えられていない気がしたので吹き出しの数で整理してみました。
文字数が1文字、2文字で息の音や効果音に近いものはカウントから外しているのと、繋がっていているものは分けて計上しています。
こちらの方がよりよく緩急を捉えられている気がしますね。小説との対比で言えば確かに絵があるのがマンガなわけですがそれでもメインはテキストを読んでいる。吹き出しの数でみた方が絵で魅せているページと文章で語っているページの対比がしやすいです。
粗密粗というよりは気持ちなだらかに密=>粗といえばそうですし、むしろ粗密粗密粗に見えなくもないですかね。面白い作品というのはそれだけ飽きさせないように1話の中でしていて、そのためにはピーク2回くらいは必要なのかもしれません。
絵で魅せるページでカタルシスを出すためには冒頭で少し冗長なセリフまわしが必要で終わりでも語るかどうかは作品によって任意といった感じでしょうか。
所感
データが少なすぎて見たいようにデータを見ている感じがするので、Manga109-sあたりのもっと大きめのデータで統計とってみたいです。