老舗IT企業の内部事情
前口上
33万人を抱えるNTTグループが人事制度の改革に取り組んでいます。富士通で13万人、トヨタで36万人なので規模の大きさがわかります。
YouTubeに執行役員の方自ら内容を解説した動画があったので、メモがてら要旨をまとめておきます。
グループ概要
- 総合ICT事業(docomo, NTT Communications、NTTコムウェア): 5万人
- 地域通信事業(NTT東日本、NTT西日本): 7万人
- グローバル・ソリューション事業(NTTデータ、NTT): 19万人
- 不動産・エネルギー等: 3万人
通信のイメージが強かったのですがNTTデータグループで15万人いるのでそこのウェイトが大きいですね。ただ、稼ぎ頭は総合ICT事業みたいです。
NTTグループのうち、14万人が海外でここが直近の10年程度で伸びた部分。
管理職へのジョブ型人事制度の導入
VUCAの時代なのでジョブ型へ。ただし雇用は守っているので日本型のジョブ型で管理職12,000人に適用。
主にジョブグレード制の導入と会社業績KPIのボーナスへの連動を高めた。ジョブグレードは6段階。
専門性を高める制度への見直し(一般社員)
一般社員はジョブ型でない。スペシャリストグレード2つと普通のグレード6つ
業績評価、行動評価、専門性判定で昇給・昇格を決める。普通のグレードの後にマネージャーになるかスペシャリスト(グレード)になるか決めるイメージ。
採用の6~7割が新卒採用
多様性の確保
サステナビリティ憲章を作成。2025年度までに女性役員比率25~30%が目標。スーパーフレックスの導入で女性の時短勤務が減った。
男性の育休を促進するためパターン化している。
リモートワーク
リモートワークも推進しており、オフィスワーカーは7割程度実施。リモートハンドブックではカメラONを推奨。
居住地の制限なしのリモートスタンダード制度も2022年から導入(対象3万人)。単身赴任者が減。
所感
令和まで年功序列の影響が濃い制度をキープしていたのは遅すぎる気もしますね。マネージャーになる以外のキャリアパスを設けるというのもより規模の小さい企業なら既に導入ずみの会社も多い印象を受けました。
他の部分ではいいところもあったので人事制度を決める立場になったら真似してみたいです。