四季報写経に入門してみる
四季報写経とは
会社四季報という雑誌があります。上場企業の株価や業績をまとめた季刊誌で年4回発行されています。自分も就活の企業分析する際に読んでいました。
この四季報を写経、つまり書き写すことで企業の財務情報を体に染み付け、自らの血肉とする技があります。ベンチャーキャピタリストや経営者、株式投資をされている方、その他色々な方がされているみたいですね。
先日自分もそのエヴァンジェリスト?の四季報写経ウーマンさん、East Ventures平田さん主催のイベントに参加しました。やり方は四季報写経ウーマンさんnoteを見てもわかるのですが、自分の言葉でまとめてみます。
会社四季報の見方
まず会社四季報の見方。四季報の頭の方のページに詳しく載っていますが、簡易版は発行元の東洋経済新報社のPDFにも記載されているようです。
項目は以下です。
- 業種
- 社名・事業内容・本社住所・仕入れ先・販売先等
- 業績記事・材料記事
- 業績数字
- 前号比矢印・会社比マーク
- 配当
- 株主
- 役員・連結会社
- 財務
- 資本異動・株価推移・特集企画・業績・時価総額順位・比較会社
- 株価チャート
- 株価指標
会社予想とは別に四季報独自の予想を出している点がユニークポイントですね。
特集企画という欄があり、号によって内容が変わっています。2024年の春号だと生産性で一人当たり営業利益が記載されています。
写経のやり方
四季報の情報を会社ごとにスプレッドシートに書き写していきます。ExcelでもよしGoogle Sheetsでもよし。
写経ウーマン流だと以下に加え、コメントや写経した日付、写経した番号も記載しています。
- 証券コード
- 会社名
- 創業年
- 上場年
- 業種
- 時価総額
- 特色
- 連結事業
- 海外比率
- 売上高
- 営業利益
- 純利益
- PER
- ROE
- 仕入先
- 販売先
- 業績記事
- 材料記事
四季報写経ウーマンさんのテンプレートだと入力数値をベースに営業利益率と純利益率が自動計算されるようになっていたり工夫がありますね。
写経関係ないですが、コンサルの方がよくやるExcel術で数式の文字色を黒、値ベタ打ちの場合は青というものがあり、普段からそれでExcel使っているので写経でも自分はそうしています。
数値は単位の桁数が会社によって違うので各セルに文字列で書くか、数字で書くかも好みはありそうですね。数値比較可能なので自分は数字を入れています。機械科出身で「単位を間違えると人命に関わる」という大学での教えがいまだに頭から抜けないというか次元ずれるの嫌なんですよね。
IT企業の労働分配率
単にやり方を書くだけでもつまらないので、IT企業について写経してみます。2024年春号の特集が生産性だと労働分配率を計算してみましょう。
特集の一人当たり営業利益もいいのですが株主視点というか労働者視点だと給料上がるかが気になると思いました。一人当たり営業利益は販管費というか給料分抜かれている値だと思います。平均年収は特集関係なく記載されているようで、平均年収 /(一人当たり営業利益 + 平均年収 = 一人当たり粗利益)で簡易労働分配率が出せると思いました。
以下が結果です。計算したのはIT企業のほんの一握りです。もっと知りたい方はぜひ会社四季報を買いましょう。
メタバース関係中心に調べたのですが、ゲーム系の企業だと労働分配率が100%を超えている、赤字の企業もありますね。一方でグリーなんかだとまだ給料を上げる余地はありそうですが、ゲーム系はごく少ない作品がヒットするかどうかで収益のブレが大きいとするとベースの給料を上げづらい、ボーナス比率を上げたい経営者の気持ちもちょっとわかります。
じげんも労働分配率が低いですがM&Aで伸びている会社ですね。労働者に還元しなくても収益が増えるとするとM&Aは強いですね。
所感
上場企業の社長さんだと他に主要KPIを単語帳に書いて丸暗記されている方もいますね。解像度が上がるとか。
写経系だとプログラミングでも有名サービスのクローンアプリを作る講座がYouTubeに上がっているのでそちらも気になっています。