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There's More Than One Way To Do It

運動していても座っている時間が長いと寿命は縮む

腰は大事

優秀な人でも腰痛でダウンすることが多い

仕事が立ち仕事の場合のつらさもあるんですが、デスクワークでもつらみがないかとそうではなく、肩こりと同様に腰痛持ちの方は多い印象です。

事務よりの仕事でも何かしらの回覧板を回すので立つことがあったり、統計上世の中フルリモートワークできない仕事のほうが多いですが、プログラマーはその中でも異質で常時パソコンの前に座っていることが多いです。

定年が70歳になるなんて話もありますが、職業人として長くやっていくためには短距離走ではだめでロングスパンでの面積を最大化するのが大事だと思っています。優秀な人でも腰痛でダウンすることが多いのは残念に思います。

Sitting time and all-cause mortality risk in 222 497 Australian adultsという論文を知ったので紹介します。

調査方法

オーストラリアの45歳以上222,497人の質問回答データと2006年2月1日から2010年12月31日までの死亡率データを使用。

Coxプロポーションハザードモデルにより、性別、年齢、教育、都市居住/地方居住、身体活動、肥満度、喫煙状況、自己評価による健康状態、障害などの潜在的な要因を調整して、座っている時間と死亡率との関連を調べた。

日本人全体だと肥満人(BMI≧25 kg/m2 )の割合は男性 33.0%、女性22.3%ですが、この調査の対象となったオーストラリア人の方は62%なので結構太っていますね(年齢もあるかも)。

結果

全死因死亡ハザード比は、身体活動および他の交絡因子を調整した結果、座っている時間が1日4時間未満と比較して、

  • 4~8時間未満: 1.02(95%信頼区間、0.95~1.09)
  • 8~11時間未満: 1.15(1.06~1.25)
  • 11時間以上: 1.40(1.27~1.55)

となった。

ハザード比とは、イベント(死亡)の起こりやすさを試験期間全体の平均的な群間差として推定したもの。

長時間座っていることの人口寄与危険割合は6.9%であった。寄与危険割合は寄与危険が曝露群の罹患リスクに占める割合のこと。

性別、年齢、肥満度、身体活動レベル、および健康な参加者と心血管疾患や糖尿病の既往のある参加者関わらず、長時間座っていることと全死因死亡率との関連は一貫していた

座っていること単体で全死因死亡率を11%上げた。

その後の動向

論文自体は2012年でその当時からWHOは週に150分以上の中強度の有酸素運動を推奨。

WHOのガイドラインが2020年に改訂されており、高齢者でない成人だと

座位行動は低強度でもいいので身体活動に置き換える

が増えました。

それに伴い健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023でも

座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する (立位困難な人も、じっとしている時間が長くなりすぎないように少しでも身体を動かす)

とあります。

検討資料に別のエビデンスが書かれているのを発見しました。読む論文、システマティックレビューの方がよかったかもですね。。。

所感

競プロ限定で布団から出ずにコーディングする技も生み出しているんですが、やっぱりスタンディングデスクですかね。適度に立つのも大事ですが。