衛星データが少しだけわかった
Tellusとは
Tellusは政府からの委託を受けさくらインターネットが運営している衛星データのプラットフォーム。読みはテルース。
政府衛星データのオープン&フリー化及びデータ利活用を目標に掲げている。色んな衛星のデータを統一インターフェイスでアクセスできるのが売り。
日本版Kaggleとして一番実績あるSIGNATEのeラーニングプラットフォームSIGNATE Quest上(OEM)でTellusについて学べる講座Tellus Trainerを実施していたので受けてみたというのが本記事の趣旨
Tellus Trainerの内容
以下目次と概要
- 1 データサイエンス/AI入門
- 2 データサイエンス講座 中級編
AIの仕組み・歴史、AIの事例、AIクラウドサービス等々。機械学習のことを極力AIと言わないエンジニアも多い中、若干AIの押し売り気味。
- 3 衛星データの基礎知識
リモートセンシングや人工衛星の種類、センサの種類など。ドメイン知識がよくまとまっておりよかった。
- 4 Jupyter Labを使ったTellus上の衛星データ画像解析実習
Tellus上でのデータの取得方法、Jupyter Lab上での画像表示など。
通常の画像だとRGBチャンネルだが、衛星にはレーダーなども取り付けられており、曇りの時でも地上を撮影できたりする。画像のRGBに別のチャンネルを割り当てるととある用途では有用な図を取得可能。
- 5 衛星データx機械学習概論
衛星データの歴史と近年のトレンドの説明
Google Earth EngineというTellusの類似サービスがあり、Tellusでは JAXAの衛星データが使えるというのが優位性と公式にうたっている。
一応Tellusの講座で競合のはずだが、その当時業界に与えた衝撃が大きかったのか、Google Earth Engineをべた褒めだった。
- 6 機械学習における物体検出概論
SSDやYOLOなどのモデルの説明
- 7 物体検出演習
衛星画像を使っての物体検出の説明
今まで受けた機械学習の講座では3分クッキング方式でも学習のコードの説明があるものがほとんどだったのだが、学習パートがカットされていた。。。また、推論時の水増しになぜか力を入れて説明しており、この講座だけを受けた人がいざ機械学習をやろうとした際に思考が少し歪みそう。そこに力を入れるよりは全体のパイプラインを一通り通した方がいいと思った。
その他気になったこと
- SIGNATE Questの作りかけ感
SIGNATE Quest自体の挙動が少し不安定だった。
ユーザー全員分の通知がくるので通知フィールドが常にMaxで、本来は企業のイントラ内でのユースケース想定なのだろうが、知らない人のアクティビティーをお知らせされるのは謎だった。
その他、ページネーションがうまくいっていなかったり、ボタンのアイコンが変だったりUXはそんなによくはなかった。
- ターゲットユーザーのぶれ
Deep Learningの初歩の話と衛星データの話がこんがらがった構成になっており、初心者にはだいぶ駆け足気味、衛星データユニークなことを知りたい人にとっては薄味気味。機械学習パートと衛星プラットフォームのパートはもっと明確に別講座にした方がよさそう。
衛星データはレーダーなど通常の一般画像認識では使わないチャンネル情報が得られるため、タスクごとにどのセンサを使うかの設計が一番重要そうに思えたがあまり知見を得られなかった。
所感
無料の講座で衛星データのドメイン知識得られるのはいいですね。衛星データが少しだけわかった