エンジニア出身は神か
前口上
同人ゲーム開発ではエターナるなんて俗称もあるようにプロダクトを完成させるのは難しくて個人開発ではしばしば未完で終わることも多いです。
開発者ですらそうなのですから非エンジニア出身の人が起業して徒党を組んでもなかなか最初のバージョンがリリースできなかったり、構成に重大な誤りがあり個人情報が流出してサービスが終了なんてこともあります。そういう意味で開発者のバックグラウンドというのはおおむねプラスに働くことが多いです。
一方で役員クラスに技術者がいないという会社もまだ多く、仮に自省する必要があるならどこか、エンジニア出身がマイナスに働く部分があるとすればどこかについて検討してみます。
営業(社外折衝)できない
色んな会社の社長さんのインタビューを読んでいるとビジネスの基本は営業と言われていることが多い気がします。
自身が商品を開発できなくても仲介するだけで成立する商いもありますし、競合他社の7割くらいの性能でも営業力によってシェアは上というのはよくある話だと思います。
エンジニアはどちらかといえば内勤で、営業なんて死んでもやりたくないという人はしばしば見ます。もちろん伝統的SIerのSE的ロールに近い場合営業兼開発という場合もありますし、ハードウェアの開発において子部品全て内製ということはほぼなく社外折衝が必要なことも多いです。
優秀な人は言語化能力が高くコミュニケーションに難があるが優秀というパターンはほぼ見たことがないのですが、チャットだと饒舌なのに口頭だとそんなにという人はいます。
技術についてバランスよく距離を保てない
例えばエンジニア出身の社長がいたとしましょう。人間は自分が知っているものほど厳しくなるもので営業や経理、広報などは首を突っ込まないのに開発部だけつい口出ししてしまう、人事評価が厳しくなってしまうということはあるかもしれません。相対的にエンジニア出身でない社長の下の方が自由にやれる場合はなかろうかと。
逆のパターンで技術偏重で技術的に優れているものへのGoがあまくなることはあるかもしれません。技術的には優れないけど売れる機能より売れなくても技術的に優れたものに投資してしまう。
答えがあるわけではないですが、一旦自身のバックグラウンドは忘れた方が中立に見れるかもしれない。
マネジメントできない
一般的にはプレイヤーになるかマネージャーになるかというのがキャリアパスの2大区分だと思います。
これは別に技術者だけに限った話ではないのですが、今までプレイヤーとして活躍されていた方がマネージャーになるとついつい自分が手を動かして人に任せられないというのはよく聞く話です。マネジメントなんて1mmもやりたくないという人もいますね。
またラーメン屋より多いというIT企業は必然的に小さな会社が多かったのですが、ユニコーン企業などに見るように大規模になるパターンも増えており、かつ急成長企業だったりすると少し前は数人の範囲内だったのが数十人、数百人の組織を率いるようになったというケースも見ます。
エンジニアは現場よりのロールなので大規模人員のマネジメントへの適性は薄い可能性はあります。MBA的能力は以前より報われなくなっていますが、学べる点はあるかもしれません。
例えば保険の商品では一度確率が決まってしまえば基本的には売れば儲かるようにできていると思います。人員の投入にリニアにスケールするビジネスは開発行為を伴うものだけではなく、大規模組織の統制という点では別業界の手法を拝借できることもあると思います。
最後に
多様な人間を職種だけであーだこーだいうのは限界感ありますが以上まとめでした。