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ザクで学ぶ二足歩行ロボット #ジオニックテクニクス

キビキビ動くザクを動かしたメモ

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ジオニックテクニクスとは

ZEONIC TECHNICSはバンダイが提供している2足歩行のロボットコース。近藤科学のホビーロボットをベースにしており、部品の多くは近藤科学のものが使われている。KHRなど近藤科学が提供しているヒューマノイドでは白黒のプレインなデザインだが、本作ではガンダムに出てくるザクをベースにしており、外装にも力を入れている。さしづめ動くガンプラ

届いた時点では何一つ組まれておらず手順書通りに組み上げていく必要がある。組み上げたザクはiOS/Androidのほか、Windowsからも近藤科学のソフトウェアHeartToHeart4で制御することができる。

付属品

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  • 外装系のパーツ
  • バッテリーやビス、サーボ、構造部品
  • 内装系のパーツ
  • 簡易マニュアル

一つの箱の中に全部入っている。

ドライバー同梱なのでハード的にはこの箱だけで一応完結できるが、組み立てマニュアルはネットからダウンロードする必要がある。マニュアルは白黒。ネットからダウンロードならもっとカラーをふんだんに使ってもらえるとわかりやすかったと思う。

自作PC組み立てでもそうだがペンライトがあると暗い部分が見えて楽だった。

組み立て

ロボットゆうえんちの組み立て代行を使うと8時間くらいで組んでもらえる様です。

不器用な素人がやると組み立てるのに計28時間かかりました。本当にありがとうございました。機械科出身えっ。プロは3倍速ってことですね。

組み立てはまったところは連投ツイートでまとめてます。

頭組み立てて胴つけて両手つけて足つけて。概ねサーボが多いほど時間がかります。ミニチュアザクは手首にはサーボがなく片腕サーボ3つに対して片脚5個サーボがあるので脚が鬼門です。脚全然飾りじゃないです。

組み立て後

組み立て後はスマホのアプリから制御ができます。イメージはScratchでしょうか。if分とカウントループで制御を組んでいくイメージ。ザクには前側に対物センサーが付いているので何かの近くに来たらというトリガーも可能。

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サーボを動かしてポージング可能。アクチュエータというと一方的に指示して動かすイメージがあったが、近藤科学のサーボは自己位置を制御元に伝える機能があり、お人形遊びの様に動かした結果を登録することも可能。

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PCからの操作

近藤科学がHeartToHeart4というソフトを出しており、それを使うと自作のモーションを転送可能(.NET Frameworksに依存しているためWindows only)。ただ転送ケーブルであるDual USBアダプターHSは別途購入する必要あり(税抜き6000円).

操作感はだいぶプリミティブでサーボの角度を指定していくイメージ。MikuMikuDanceやUnityのHumanoidの感覚で行くと面食らうかもしれない。

基板に書き込みさえすれば作ったモーションはスマホのアプリからでも実行可能。

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良かったこと、学び

以下感想

ザクである、音声がある

土日や仕事終わりを使って組み立て行きますがまあ時間かかりますね。正直普通のロボットなら挫けていた気がします。みんなが知っているザクであるというのは完成系がイメージできてそれだけで偉大だなと。

基板にスピーカーついているのもいいですね。まだ対して組み上がっていないときでもかっこいい効果音や音声で楽しませてくれるのはモチベーション上がって良かったです。

本当の二足歩行ロボットである

ヒューマノイドロボットでもホビー用だと脚が車輪だったり、足がほとんど動かないものも市場には売られています。ミニチュアザクは(少し滑ったりするが)普通に二足歩行しますし、ハイキックもできます。仰向けやうつ伏せから自力で直立状態になるのは少し感動しました。

はい、ミニチュアザクはプリメイドAIと比べるとサイズも小さく結果としてサーボの数は少ないです。手首にサーボがなかったり顔や首回りの可動範囲は狭いです。とりわけダンスをさせようと思うと手首の部分は欲しくなる部分だと思います。一方で戦闘用ロボットとしてポージングさせてみると結構様になっており、これはこれでいいのかなと思ってます。

モダンなサポート

ガンプラというと説明書を黙々と読んで組み立てていくイメージ。ミニチュアザクは専用Webサイトがあり、動画で解説されている部分も多い。字だけよりはわかりやすいしモダン。マニュアルが前述の色数の少なさからわかりづらい部分は動画で補完できて良かった。

悪かったこと、つらかったこと

値段の高さ

10万円程度するので去年数万円で投げ売りされていたプリメイドAIと比べると敷居は高いです。まあプリメイドAIが赤字すぎたんですが. ただ、現在の相場だと同じく10万円くらいで片方組み上がっていて片方組まないといけないのでその差はあります。

STEM教育の教材としてみたときにプログラミングのパートまで中々たどり着かないなとは思いました。外装凝っている部分はしょうがないのですが、ビスを外したりつけたりする操作が多くロスがあったのと、ビスの多さで効率下がっているので次期版を作るならバックパックなど頻繁に開け閉めする部分の締結構造を変えたり、ビスの共用化をもう少し進めてもいいかもしれない。

開発者の不足

値段にも通じるんですがTwitter上でまだ組んでいる人が少ないなと。そしてほとんどが大人という。本来高校生とかでもできる様にスマホアプリから制御できる仕様にしたのだと思います。

プリメイドAIでは有志によるモデルを使ってUnity上でシミュレーションできたりしましたが、そういうシミュレータが欲しいなとは思いました。HeartToHeart4より上位の概念を組み合わせたい。 メーカーとしてはハードを売りたいんでしょうが、学校などで導入する場合でも一人1台よりはクラスやグループで1台くらいにしないと予算的に厳しいのかなと。

以前Pebbleのファウンダーがスマートウォッチを開発していた際にY CombinatorのメンターからSDKを作る様にアドバイスされそれが結果よかったという話を聞いたことがあります。有線での作業はつらみもあるので無線でPythonから叩けるAPIを作ってハッカブルにマシンにすると開発者人口増えていいのかもしれない。

ザクというドメイン、アクチュエータの大きさ

SEEDやWingからガンダム入った身としてはガンダムの中のモビルスーツはガンダムです。最近のガンダムは終えていないですが、どうですかね?ザクは昔のシリーズに多くて最近のはみんなガンダムなのかなと。 STEM教育用としてはガンダムの方が若い人にはいい気がします。

一つ思ったのはサーボの大きさですね。ロボットのサイズが小さくなればなるほどサーボの大きさが目立ち造形上の制限は厳しいです。ザクだから太っていても違和感ないですが、すっとしているガンダムでやるとサーボの存在感がですぎるというか。

これについては解を持ち合わせていないのですが大学の時、形状記憶合金を使ったアクチュエータを見た記憶があります。より小型化が進むか、何かそういった小さくできるアクチュエータの特許切れが起きるとホビーロボットも変わるのかもしれない。

虚構と現実の境が曖昧

教本に出てくるんですがAMBACというガンダムに出てくる制御システムがあります。ガンダムの設定がよくできている裏返しでもあるのですが、あまりに教本に堂々と書いてあるので最後までそれが世間一般のロボット制御の方法なのかと思っていました。。。Webサイトでもそういう世界観が混在している部分があるので教育としては少しわかりづらいかもしれない。

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所感

二足歩行ロボット楽しいですね。

高校生の頃大学選びで某W大学の機械科に決めたのはWABOTがあったからでした。残念ながらプログラミングが面白くなって数値計算やっている熱系の研究室に行ってしまたっが卒後10年経ってヒューマノイド完成できたのは感慨深い。

Future Work

プリメイドAIで強い人たちが作ったツールをポートできないか検討する