頭の体操的なやつ
前口上
例えばあなたが会社の新規事業担当にアサインされたとします。社長が手塩にかけて育てた創業事業は順調ですが、天井が見えており、上場レベルまで会社のバリュエーションを上げるためには第二の基幹事業を作る必要があります。
とりあえず来てと言われた会議であなたは急に聞かれました。「何かいいアイディアはありませんか?」
インスピレーションに基づいた方法
アイディアを生み出す最もポピュラーな方法はインスピレーションに基づいた方法です。
ミュージシャンがお風呂でメロディーを思いつくように、発明家がトイレで何かきっかけを掴むように、人間、ふとした瞬間にいいアイディアが思い浮かぶこともあるでしょう。
平凡なサラリーマンでも家で音楽を聞いてリラックスしていたら同じように何か素晴らしいアイディアが思いつくかもしれません。あなたが天才ならそれはもうざくざくアイディアが浮かんでくることでしょう。
残念ながらあなたは今会議室にいます。以前はお得意の「一旦持ち帰って考える」が可能でしたが、働き方改革の影響で会議の回数はミニマムにするように言われており、どうやらこの場で何かしらそれっぽいことを言わなければならないようです。困ったなー
論理的にアイディアを生み出すさえたやり方
そんな時はロジカルシンキングで解決しましょう。慣れれば論理的思考によって柔軟なアイディアを生み出すことも可能です。
「ロジカルシンキング?こっちは今までになかった画期的なアイディアを出さないといけないんだぞ?理屈でどうにかなるわけないだろ!」
おーきーどーきー、深呼吸しよう。
あなたの住む世界での多数派の意見ではそうなのかもしれません。ですが皮肉なことに、あなたは自身の発言によって、もう論理的柔軟思考法の要件を定義してしまっているのです。そう、アイディア=「今までになかったもの」と。
論理的柔軟思考法の取説
論理的な柔軟思考法のやり方は簡単です。
- 普通なものの定義を羅列する
- 出てきた普通なものを一部ひっくり返す
えっ、これだけ?
はい、間違えありません。これを愚直にやるだけでアイディアを量産することができます。
もしかするとインスピレーションに基づいたアイディアを100点だとして、この方法で出てくるアイディアは70点くらいかもしれません。でも100点のアイディアを1個出すより、70点のアイディアを10個出すことが重要なことも多いです。
例題をやってみましょう。
スマートフォン
スマートフォンについて考えてみましょう。一般的なスマホです。どんな機能を持っていますか?
あらいだすと
- タッチパネル
- 手のひらにおさまる
- ガラケーと違って折りたためない
- カメラが両面にむき出しでついている
- アプリのOSはモバイル特化
- アプリを買うにはストア経由で買う必要がある
あたりでしょうか。
反対を考えるとこうです。
- タッチパネル => 触らずに動かす
Amazon EchoやGoogle Homeも増えてきてますね。
- 手のひらにおさまる => 手のひらにおさまらない
- ガラケーと違って折りたためない => 折りたためる
2つ折りのスマートフォンも出てきてますね
- カメラが両面にむき出しでついている => カメラが隠れている
Nest Hub Maxではカメラと音声の物理スイッチがつきましたね
- アプリのOSはモバイル特化 => デスクトップとモバイルはOS共通
Surfaceが近いですかね
- アプリを買うにはストア経由で買う必要がある => 必要がない
jailbreakやモバイルWebとか?うまく言語化できないですが、Twitter => Mathtodon風に誰もが互換AppStoreを作れる未来も面白いですね。
求人サイト
もう一つWebサービスでもやってみましょう。人手不足の世の中だし求人サイトとかどうですかね?
一般的な求人サイトは
- 候補者が現状の待遇をかく
- 候補者が経歴を書く
- 候補者が理想の条件を書く
- 企業が応募条件を書く
- リクルーターが勧誘メールなどを送る
- 候補者が申し込む
- 面接を複数回行い、進捗を管理する
あたりですかね。
反対にしてみましょう。
- 候補者が現状の待遇をかく => 個人のスキルのみで判断
経歴スコアで妥当年収をはじきだすとか
- 候補者が経歴を書く => 書かない
勤怠システムが転職履歴をトラッキングしてくれる等
- 候補者が理想の条件を書く => 書かない
Twitterの文言を自然言語処理して内なる適性を出してくれる
- 企業が応募条件を書く => 書かない
あくまでビジネスSNS. Wantedly
- リクルーターが勧誘メールなどを送る => 機械が送る
Twitterを監視、企業の大量解雇を監視
- 候補者が申し込む => 企業側が競り落とす
転職ドラフト
- 面接を複数回行い、進捗を管理する => 面接を一回で終わらせる
ビデオ面接で共通部分は面接不要に。スケジュール調整最適化で面談は1度で終わらせるなど。
まとめ
こんな感じです。論理的柔軟思考法により、無事あなたは会議で有意な発言をすることができるでしょう。
残念ながら我々は天才ではありませんが凡人には凡人なりのやり方があります。ノウハウによって、ムラなく安定して70点のパフォーマンスを出せるというのも価値あることかと。
インターネットにより情報の伝達速度があがった現代において、アイディアそのものよりも実行することの方が重要?こまけえことはいいんだよ。