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2022年に読んだ本、個人的トップ10

例年の倍本を読んだ

前口上

ここ何年かは年150冊ほど本を読んでいたのですが、感染症対策と生来の引きこもり気質が融合した結果、今年は300冊程度読んだようです。例年の倍🤪

毎週図書館に行っていたのも大きいですね。東京23区だと隣接区はもちろん区によっては住んでいなくても、通勤していなくても本が借りられるようです。本を出す側でもあるのでつらいところですが、隣接区と予約を駆使するとプログラミング関係の本も待てば入手できる範囲が増えました。

毎年5冊紹介しているのですが今年は拡大版で10冊紹介します。

戦争と平和(まんがで読破)

今年はウクライナとロシア間で戦争が起き、台湾有事のリスクが上がり、円安で物価が上がった年でした。個人でもウクライナカラーのSwitchを買ってみたり、Unityのアセットストアでウクライナバンドルを買ったりしていました。

以前、マンガで読破シリーズは全巻読んだのですが、ロシア関係のものもあったなと再読。

トルストイの『戦争と平和』はロシアに侵攻したフランス軍がモスクワを一瞬手に入れたものの撤退した話。ロシアが攻められる側というのがウクライナとの戦争とは違う点ですね。

ナポレオンの何も手に入れられなかった感じが今のプーチンに通じるかもしれない。世界史ザコ勢なのですが1812年ロシア戦役の理解が深まりました。

ネタバレですが史実を見返すとすごい判断なんですよね。自分たちが住んでいた都市モスクワを完全放棄、戻ってくる可能性を無視して3/4を意図的に放火で燃え尽くして、居座っているナポレオンを兵糧攻めで追い返すという判断は現代だとなかなかできないように思います。覚悟が違う。

アノマリー投資

テック系の株価が暴落したため少し損失を被ったのですが早くに見切ったので影響を抑えられました。落ち着いて対処できたのはたまたまこの本『アノマリー投資』を読んでいたのも効いたように思います。

株の時系列での規則性をアノマリーと言いますが、それについて解説した本。大統領選の時期は株価が変動しやすいとかそういうのですね。

必ずしも周期的なイベントだけを解説しているわけではなく、例えば過去アメリカが戦争に関わっている時に米国株が高値を維持したことはないそうです。

なぜ新耐震住宅は倒れたか

TSMCの熊本進出が話題になりました。投資額も大きく、理系人材も良い待遇で採用するようですね。

熊本関連で熊本地震に関する本を何冊か読んだのですが、『なぜ新耐震住宅は倒れたか』は工学的視点で熊本地震を振り返っていてよかったです。

調べたら新耐震基準でも即死はしない程度なんですね。法規、内規、要求仕様はどれも違うので東京都内に住むなら耐震等級2くらいは欲しいところ。

耐震等級が高くても壊れやすい構造がわかった反面、木造の限界というか木なんて軟弱なものに頼らずに一軒家でもRCにしたくなりました。高いですが。

フランスはどう少子化を克服したか

コロナで日本の人口減少が予想より遥かに速くてまずいみたいですね。

個人的にも何冊か本を読んで知見を深めました。

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読んだ中ではしいていうならフランスの少子化対策について書かれた『フランスはどう少子化を克服したか』がおすすめでしょうか。

フランスでも保育園は足りていない、一日の労働時間は7時間がベースあたりに学びがありました。

ユニコーン企業輩出でもフランスは参考になる部分が多いようなので、起業率向上という観点でもまた情報収集してみたいです。

生涯投資家

上場VCであるジャフコが村上ファンドに狙われたことが話題になりました。『生涯投資家』はその村上さんの自伝。

ライブドアショックの際のイメージでハゲタカ的イメージがあったのですが、村上さんには村上さんなりの哲学があることがわかってよかったです。自分が社長なら狙われたら嫌ですが。

株主提案についてはフューチャーベンチャーキャピタルの記事でも書きました。

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学生時代から一等地のマンションに住んでいたり、資産家はこうやって代々資産家なのはこの世の不公平な部分ですね。

ファイナンス思考

元ミクシィCEOで現シニフィアン代表の朝倉さんの本。Voicyもよく聞いているので、大体思想はわかっていたのですが、せっかくなので『ファイナンス思考』を読みました。

この本が難しく感じるひと向けに『ゼロからわかるファイナンス思考』という本もありますが、どうですかね?ある程度会計の知識があり、IR資料を読み込める人ならこの本で十分な印象。

今年はガイアックスのYouTubeチャンネルも作業用BGMとしてながら見していたのですが、本書のおかげで理解が深まりました。

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爆速成長マネジメント

最初エンジニアリング・マネージャー向けの本かと思ったのですが、『爆速成長マネジメント』はどちらかというと創業者、経営者向けの本。

原題もHigh Growth Handbookで中身も会社を成立させるための要素を網羅している。邦題は爆速成長ファウンダーハンドブック、あるいはスタートアップCEO養成読本の方がよかったかもしれない。

よく日本はアメリカ比でM&Aが足りないと言われることがあると思うのですが、本書によればアメリカのM&A数でもまだ足りない、もっとM&Aした方がよいとのこと。

とりわけエンジニア不足に関する問答は印象的で積極的に使っていきたいですね。

Q アーリーステージでエンジニアが採用できません。どうするといいでしょうか?
A 今は創業者になるリスクが低い時代。エンジニアが不足しているのではなく創業者が余っている。もっと株を配れ

エンジニアは不足していない。創業者が余っている

マイクロマウスではじめようロボットプログラミング

調理ロボットなどで有名なアールティーのマイクロマウスの本。『マイクロマウスではじめようロボットプログラミング』は回路やマイコン、C言語や迷路探索のアルゴリズムまで網羅していてよかったです。

できるロボットエンジニアの要件が機械、電気、ソフト全部わかる人というネタがありますが地でいっている感じ。マイクロマウスの勉強会にも参加しました。

無線経由のコントルールが弱いですがロボティクスの基礎として2,4足歩行にいく前にマイクロマウスをやると要素技術の抜けがなくなるのでよさそうです。

2022~2023年で電動キックボード、ドローン、レベル4自動運転、小型配送ロボの法改正があり、もろもろ認められる予定です。ロボット規制緩和のバーゲンセール。

エンジニア!=ソフトウェアエンジニア論争がしばしばおきますが、Huaweiの天才少年を見る限りオールラウンダーなんですよね。ウェブからロボティクスにトレンドが移ればエンジニア=ソフトウェアも電子も機械も全部できる人になりそうでプログラミングで食べていける分野が大きく変わる可能性もあると思っています。

Software Engineering at Google

How Google WorksはどちらかというとBiz向けでしたが、『Software Engineering at Google』はゴリゴリのソフトウェア・エンジニア、エンジニアリング・マネージャー向けの本。

原著はWebで無料で読めます

Googleでのチーム開発での取り組みがこれでもかとまとまっていてよかったです。

Pythonで学ぶ解析表現文法と構文解析

作りっぱなしで放置しているemacroを改良したい気持ちが半分、DSLや処理系的アプローチでWebフレームワークを改良してみたいという気持ち半分で処理系の本をいくつか読みました。

コンパイラ、インタープリターを作るという本はちらほらあるのですが、『Pythonで学ぶ解析表現文法と構文解析』はPEG(parsing expression grammar)に特化した本でよかったです。Python 3.9でPEG parserも採用されましたね。

Power Automate DesktopのRobinをパースしてMacでも動くようにしたら面白そうと思っている内に若干RPAブームが下火になった感覚はあります。

所感

流石にほぼ毎日一冊本を読んでいると人生回っていかないので、コロナの特効薬ほしいですね。。。

インプット多くしすぎたきらいもあるので、来年はカンファレンスにプロポーザル出したりもうちょっとアウトプットを増やしたいです。

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