リモートで勉強会を配信するための機材、ソフトウェアの検討
前口上
新型コロナウイルスが猛威を奮っていますね。直近でもDroidKaigi、Cookpad TechConf 、DeNA TechCon、技術書典などの技術系イベントは中止が決まったようです。人命が一番大事という大前提はあるものの、これだけテクノロジーが発展してもリアル対面なしには情報伝達できないというのは技術の敗北を感じます。
遊園地や水族館など立地の制限がある娯楽はオンラインにしづらいですが、本質的に話す人と聞くひとがいれば勉強会は成立するはず。以下自分ならどうするという思考実験
フェーズ0: 極力ソフトウェア
必要なもの
- 配信サービス
- Windows PC + OBS Studio
- マイク
- 十分に高速なネット環境
- Q&Aの仕組み
割り切り
- PDFを表示するだけ
- Live codingは動画で代替
- 発表者は一箇所に集まる
- 画面はスライドだけ(適宜自撮りをスライドにのせる)
フェーズ0の解説
配信経験がない場合、最初は枯れた技術 、実績のある構成をとりたいですね。
配信サービス
勉強会という切り口だと完全オンラインは事例は薄いですが、YouTubeやニコ生の実況なんかはだいぶ前からありますね。最初はそういった単一のYouTuber/生主によるゲーム配信をまねるといいんじゃないでしょうか。ゲーム配信と違ってFPSはいらないですし。そういう意味で配信サイトはYoutubeやニコ生が枯れているとは思います。
Windows PC + OBS Studio
Web系の開発者だとついついMacを使いたくなりますが、世の中の大多数はWindowsであり配信関係のツールが豊富です。画面のキャプチャを撮るにはハードでやる方法とソフトでやる方法がありますが、ハードウェア別体にした方が安定しそうですが面倒くさいですね。
オープンソースのOBS Studioを使えば画面そのままに配信することが可能です。OBS Studioはクロスプラットフォームですが、その前バージョンのOBSはWindows onlyであり、Web上の記事は多いようです。場合によってはダウングレードしてもいいかもしれません。
マイク
マイクはSamson Q2Uでどうでしょうか。Amazonで1万円くらいです。技術系ポッドキャストのrebuild.fmで使っているようです(人によって違う)。
BlueのYetiだと1万5千円くらい。DTM関係の解説動画のSleepfreaksで使っているようです。音楽系のYouTuberが選んだものならハズレはないのかなと。
十分に高速なネット環境
動画を流すということはそれだけ帯域が必要なので回線大事。安定させるためには有線にしたいですね。 マンションとかだとネットの速度は個人だとどうにもできない場合もあります。
Q&Aの仕組み
TwitterのハッシュタグやSlackがあればその実況ch、Slidoなど
ニコ生はコメントがそのままフィードバックになる一方、以前発表内容に関する一方的な批判を見たことがあります。ホスト側がBANできる機能がありますが、残念ながら匿名だとCode of Conduct違反のノイズコメントがつくことはあります
割り切り
発表者モードがあるプレゼンソフトだと表示がバグりやすいので、当日はPDF表示するだけにしておく。同じ理由でLive codingもあきらめる。必要に応じ事前に録画した動画で代替。配信は共有
上述のネット回線の不安定さを気にしなくてよいので、 発表者だけは一箇所に集まる。自分の発表時間以外は帰ってもらう。
Picture in Pictureはセットアップ複雑になるので最初はやらない
その他注意事項
CSS Niteの発表者注意事項はよくできていると思います。
とりわけ大事なのは質問を復唱する部分でしょうか。slidoなどに出ていても質問文をちゃんと読むのは大事だと思います。人間の理解度は音声があるのとないのとではだいぶ違うので。
所感
情報の取り方は別に一つではないですね。本や論文、ブログ、SNSのコメント、YouTube、はたまた投資してみるとか。
勉強会のメリットは情報の鮮度が本より高く、肉声によりブログやSNSより頭に入りやすく、YouTubeにはないようなマニアックな話を聞け、スポンサー付きイベントなら無料または割安で聞けるでしょうか。
世界がディストピアに近づいてきている今日この頃、既存の枠組みでイマイチな部分は楽しくハックしていきたい。
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一時的に発表者が集まるのも不安が残るのでフルリモートパターンもまとめる