その後の調査メモ
rails statsがたまってきたので大放出
以前公開情報を元にテーブル数と企業価値の相関を探りました。
その後の発表などで他の企業でも追加のrails stats等の情報が得られたのでまとめておきます。
YOUTRUST(2023)
https://tech.youtrust.co.jp/entry/test_code
- 評価額: 26億円
- モデル数: 462
スマートバンク(2023)
https://speakerdeck.com/yutadayo/kaigi-on-rails-2023-sponsor-lt?slide=6
- 評価額: 85億円
- モデル数: 747 (テーブル数: 350)
Cygames(2024)
グランブルーファンタジーはPHP製。
- テーブル数: 3万テーブル超 ※水平分割を含む
とのこと。
2023年の売上が44.4億円としてPSR5倍なら評価額222億円くらいでしょうか。
アソビュー(2024)
https://speakerdeck.com/disc99/120ripozitoriwo1tunomonoreponitong-he-sitali-you?slide=7
Java製のシステム。
- 時価総額推定 200億円
- 会員数 1000万人
- テーブル数 2000
- トラフィック 4000rps
- プロダクト100名/ 社員213名
- ステップ数 400万
マネーフォワード(2024)
https://www.docswell.com/s/usadamasa/59V14V-2024-08-01-maps-of-your-code#p13
- 評価額: 1760億円
- モデル数: 1042
- PSR: 9.2倍
マネーフォワードはM&Aに積極的で複数サービスを持っているのでサービスの評価額はそこを調整する必要があります。
マネーフォワード〇〇が複数またがっているので推定困難なんですが、決算資料上のBusiness(バックオフィスSaaS)を本体と仮定すれば時価総額2800億円 * 63% = 1760億円が評価額でしょうか。
イタンジ(2024)
https://speakerdeck.com/aki19035vc/rails-x-xing-deno2nian-jian-wozhen-rifan-ru?slide=5
- 時価総額: 50億円
- モデル数: 382
- PSR: 0.27倍
イタンジはGA technologiesのグループ会社です。セグメントごとの利益率が違いすぎて難しいですが、時価総額400億円 x 12.5% = 評価額50億円くらいでしょうか。
まとめてみる
前回引いた線(青)は変えずに今回足した企業を追加してみます(オレンジ)。情報ない場合はモデル数=テーブル数と仮定しているので誤差はあります。
前回は上場企業、イグジットした企業が多かったですが、今回は未上場企業が多いです。上場企業であるマネーフォワードは作ったものがちゃんと時価総額につながっておりラインにのっています。
一方で他の企業は作ったものが企業価値にそれほどつながっていない印象です。
所感
Four Keysなどの開発生産性が有名になりエンジニアのアウトプットが管理されるようになり管理会計ならぬ管理開発は未上場企業でもある程度定着してきています。一方でPdMの作ろうとするものの良さだったり、営業やマーケティングの筋の良さはあまり指標化が進んでいない印象です。
時価総額1000億円を見据えるならテーブル1つ追加で時価総額で2億円、売上で4000万円増えるが一つのベンチマークです。
ネットワーク効果によるブーストが線形でなかったり他ファクターは確かにあります。一方で資本効率が悪いものを開発生産性3倍で開発しても思ったより企業価値につながらないことは普通にあるわけです。
割合物怖じしない方ですが、どうせ作るなら成功するプロダクトを作りたいとは思うので職種にこだわらず正しい道を進んでいるかは意識して積極的に意見していこうとは思いました。